中嶋:その負荷に関する本を先生が書かれたということですか?
それが大変売れたという本ですね。 タイトルは何と言うんですか?
向野:最初に書いた本は『経絡テスト』6)というんですが、これは相当売れましたね。
中嶋:それはどこに響いたんですかね?
東洋医学を志してらっしゃる先生方にヒットしたのか、一般の方にヒットしたのか?
向野:最初ですね、その経絡テストの発表の機会を与えられたのは鍼灸の学会でした。是非セミナーをやってくれということで頼まれて、出版社はその日に合わせて私の書いた本を出版したんです。それでセミナーの当日、担当者がその本を会場に持ってきていたんです。
中嶋:粋な計らいですね~。
向野:それで、セミナーが終わった後、参加者がみんなその本の売り場に走りましてね。
本屋は50冊しか用意してなかったみたいですが、その50冊がすぐに完売してしまいました。
それか最初のドライブで、それから結構売れましたね。
まぁ医療の本としては結構よく売れた方じゃないですかね。1万冊ぐらい売れましたから。
それが最初のスタート。
中嶋:じゃぁ、それが向野教授の処女作ですね。
6)経絡テスト(医歯薬出版) ISBN978-4-263-24135-6
臨床医として,長年の診療に応用している鍼灸治療経験に基づき確立した経絡診断(テスト)の方法論を,図版を多用して解説。 痛みなど誘発したり増悪させる動きの解析から,治療すべき経絡を的確・迅速に判断し,治療が引き起こす病態の変化を把握したり,効果判定の指標にも有用な経絡テストに関する実践のすべてを解説。 動きの負荷に対する反応を分類することで,中医学理論からみた病態診断を解説.中医学理論に基づく鍼灸治療に加え,経絡テストによる漢方処方へのアプローチも理解できる.